LGBT

今日、再び出張に出かけるツレと車内で話していた時のこと。


ツレ
「気が重い。今週はテストがあるらしくて」




テスト。

まあ研修出張だから、そういうのがあるのも分からんではないのだが。

いまいち想像がつかない。




「たとえばどんな?」

ツレ
「なんかLGBTとか」



……はい?

なにゆえ??




「それあんま業務に関係なくない?」

ツレ
「まあ、うちは営業職ですので、一応知っておけってことらしいね。そういういわゆる差別的な言葉が入ってたら、即黒塗りだし」
「中には『ご親切に』差別用語を見つけると警察に通報する人もいるんですよ、よかれと思ってね。そうすると行政の立ち入りが入って大変だから」



………ははあ。

そういうことか。






私は普段、あまりゲイという自覚をしていないように思う。
ツレが好きというだけの、普通の平凡な男だ。
オネエ口調でもなければ、お化粧に興味があるわけでもない。イカニモでもないので、マッチョでもヒゲでもない。憧れるけどね。

ただ、ツレが好きだという一点においては、私は「ゲイ」という区分に分類される。
いや、もしかしたら今は女性に興味がないだけで、実は「バイ」なのかもしれない。

それはまあどうでもいい。
だが、マイノリティであることは間違いないだろう。



いつからマイノリティは腫れ物扱いになってしまったのだろう。


私は別にLGBTという呼称が、悪意ある差別とは思わない。
まあ普段から開けっ広げに「俺はゲイだ!」っつってるわけではないから、酷い差別を知らないだけなのかもしれないけど。

でも少なくともノンケたちとは別の生き物なのだし、分かり合うことも困難だろうから、住み分けとしての差別は別にありだと思っている。
端から「あいつゲイじゃねーの?」という会話を聞いていても、「違うんじゃね?」とか「そーかも」とか「そうだったらステキ」くらいしか思わない。

でもって、私がゲイであることで何か不利益があるとも思えない。
私もツレも体面が気になる性格なので、外で手を繋ぐとかキスするとかそういうことはしない。し、したいとも思わない。家でもそもそと引っ付きあってる方が落ち着く。


そりゃあゲイだとバレれば好奇の目で見られるだろうから、極力隠してはいる。それが負担といえば負担。
だが、そんなことはもうずっと昔からしてきていること。嘘もすっかり吐き慣れた。
嘘に疲れた時はツレと話すか、「味付海苔蔵」としてpixivに作品を上げるだけだ。




心許せる友人にゲイであることを明かして、それをその友人にバラされて、自殺した人がかつていた。

このあたりは確かに気を付けなければならない。
けど、言ってみればノンケにゲイを理解してもらおうという甘い夢は捨てた方が安全だという教訓でもある。


それを「理解しろ!受け入れろ!」と迫ると、より一層マイノリティへの風当たりが強くなるんじゃないのか?
「なんだあの自分勝手な野郎は」ってならないか?

理解しろ、っていうのは、相手に負担を強いることでもある。理解するために、相手に我慢をさせるということだ。それをさも当然のように求めてくる相手のことは好きにはなれないだろう。
ましてそれがゲイというマイノリティであれば、最悪ゲイという存在自体が厚かましい人間ばかりという印象を抱かせかねない。




うーん

ツレがテストで出されるというLGBT
何が出されるんだろうな。

ああいうのって、ノンケが出題するんだろうか。

私もツレも普段LGBTについてはさほど意識してないものだから、改めて「差別です!!」と言われると、「お、おう。そうか?」と戸惑う。



少なくとも私はゲイであることに関して何か困っているということはない。
ツレとツレのご両親には申し訳ないが、私が女性であったとしても、「私みたいな女がツレさんに相応しいとは思えない……」って悩んでいたんだと思う。


別に差別してくれていいから、ゲイもノンケも、お互い干渉し合わなければいいのに、なんて思う。
ノンケは「ゲイを理解すべき!差別はいかん!罪!」なんて思わなくていいし、ゲイも「ノンケはゲイを理解しろ!差別は不当!ゲイにも人権を!」なんて言うべきじゃないんじゃないのか。

ノンケとの付き合いは、性的嗜好以外のところで人格と人格が交流できてりゃいいじゃない。
何か問題ある?



俺が世間知らずなのかな。
ちょっと不安になってきた。