話す男たち

「あとで 」→翌朝


ドーモ。

夜中の2時半までツレのゲームに付き合い倒していた海苔蔵です。
寝不足です。眠いです。




昨日、テレビでフェイクニュースについての番組が流れていた。

自民憎しで偏った報道しかしない日本のマスコミがどの口で何言うものぞと怒るツレに、せやなと同意していた私。
ツレの主張はもっともだったからな。
けど、詳細は省略。それ書くだけの時間はさすがにない。


その番組の終盤で、司会者が、

「報道する側は、負い目が大切だと思うんです。自分の見てきたこと、考えが正しいと思ったら、それを他人に押し付けてしまうから」

というようなことを仰っていた。
これにはツレも私も頷いた。


ただ、私にはちょっとだけ引っ掛かることがあった。
それは、「負い目」という言葉。

負い目というと、「自分が既にしてしまった行為によって相手に負担を強いたことに対する引け目」みたいなニュアンスを私は感じ取る。
主観でしかないけどね。
負い目という言葉自体は、「人に負担をかけたり迷惑をかけたりするなどして、申し訳ないと思う心持ちなどを意味する表現。」らしいから。
Weblio辞書によると。

……うん、でもやっぱ「既遂」の事柄についての申し訳なさだよな。

その負い目という言葉が、どうにも司会者の主張にしっくりこないなと頭を捻ったのだ。
主張自体は大いに納得なんだけど。なんで負い目なんて言葉を使ったんだろう、って。単純な疑問を抱いた。



なので、それをツレに言ってみた。



「負い目って表現、ちょっと気になる」

ツレ
「そうか?俺は別に間違っちゃいないと思うけど」


「うん、間違っちゃいないと思う。でもなんか、しっくりこないというか、もう少し違う表現の方が適切なんじゃないかなって」

ツレ
「負い目を感じる→人に負担をかけたり迷惑をかけたりするなどして、申し訳ないと思う心持ちなどを意味する表現、って辞書に書いてあるし、あの司会者は自分の視点での、いわば偏った報道で他人に思考の負担をさせることに申し訳なく思うべきだって言ってるんじゃないの?」
「俺は別にそれで意味通ってると思うけど」


「うん、意味としては俺も理解してるし司会者が言わんとしてることも分かるんだけど、なんというか……負い目でもいいかもしれんけど、もっとしっくりくる言葉がある気がしてなあ」
「負い目って罪悪感っぽいじゃん、でも報道することで誰かが何かを思うのは、報道『されてから』だろ?未来のことじゃん?なのに過去の行為への引け目としての『負い目』という言葉がどうも時制的な意味で違和感がある」
「だから……『負い目』じゃなくて、『自分を疑ってみる』、とか。そういう言葉でもいいんじゃないかと思ったのよ」

ツレ
「それ表現として長い」


「確かに長いね。よし、じゃあ、次俺がこの話題を口にするときは、『負い目という言葉と同程度に短くて』かつ『負い目という言葉よりしっくりくる言葉を見つけた』時にするわ。その時は判定よろしく」

ここまで話して、ツレは「なんでそんなに負い目なんて言葉に食い付いてるんだ?」みたいな顔をしていた。
そりゃまあ、そう思うだろうなあ。
概ね司会者の意図を理解しておきながら一部の言葉に拘るのは、重箱の隅をつつくような嫌がらせに見えるのも無理はない。

でも私にはそんな意図は微塵もなくて、なんかほのかに感じる時制のズレにむずむずしているだけなのだ。
まあ負い目という言葉でも悪くはないんだけど、次点というか。もっとぴったりな言葉ありそうだから、それを見つけてみたいなあと。



とはいえあくまでこれは私の好奇心なので、それにツレを巻き込もうとは思ってない。ツレは「別に負い目でいいんじゃね?」と思っているのだから。
とりあえず聞いてみただけというやつだ。

なので、とりあえず私が自分の中で「こんな表現なら負い目よりしっくりくるのでは」という表現を具体的に探し出して、その上でツレに再び「これとかどう?負い目より適切じゃね?」と確認してみようと思い至ったわけだ。その方がツレも判定しやすいだろと思って。


それで一旦その場の話題は終了したつもりだった。



そしたらしばらく黙っていたツレが、やんわり口を開いた。


ツレ
「……負い目でも、意味としては通るんだよね。俺達接客業だって、自分が本当に正しくお客様を案内できてるかって負い目を感じるし。俺こそが正しいって商品売り付けることの危険性だって分かるし」


「うん、俺も司会者の意図してることは理解してるつもり。ただただ、負い目って言葉に『過去のことへの引け目』ってニュアンスを感じるのよ。商品売る前から誤発売してるわけじゃないでしょ」

ツレ
「『負い目』が過去のニュアンスってのは俺も一緒だから分かる」
「『責任』。敢えて『負い目』を言い換えるとしたら『責任』かな」


「……おおー。それだわ。責任ね。報道する内容に責任を負う、あるいは感じる。これでしっくりきたわ。スッキリ」
「さすが。ありがと」

ツレ
「あとこれは完全に俺の推測なんだけど、あの司会者自身が過去にそういう報道をしたって負い目を感じてるからこそ出た言葉なんじゃないの」
「真相は知らんけど」


「それもあるだろうな。自分も報道に携わっていた人間として、って言ってたし」
「すごいな。ほんとそうかもしれん。つじつま合うね」
「やっぱツレさんすげーわ」




こうして私は満足いくまでツレに話に付き合ってもらった。

あーだこーだ考えるのは大好きなので、ツレがなんだかんだ話に乗ってくれたのは本当に嬉しかった。
多分ツレは何故私がそこまで言葉に拘るのか分からないままだっただろうが、私が一旦話を終了させようとしたにも関わらずちゃんと話が決着するまで対話しようとしてくれたんだぜ。
「めんどくせ!」って、話を終了させることもできたはずなのにね。ありがたいよ、ほんと。



「細かいこと気にしちゃってごめんな」とツレに謝ったら、「俺も強く言っちゃってゴメン」と返ってきた。

そうか?そんなに強い口調とは思わなかったけどな。むしろツレが乗ってきてくれたことが嬉しくて、なんとかして俺の疑問とツレの認識のすり合わせをしたくてのめり込んでたのは俺だしな。俺大好きなんだよ、こうじゃないかああじゃないかと話し合うの。
ソフトな言い方にするようにも気を付けてはいるんだけど、大好きな話し合いで興奮していて、なおかつ気心知れたツレ相手となると、どうしても素が出てしまって口調が討論調になる。ツレを打ち負かしたいわけじゃなくて、ただ俺の疑問を理解してほしくて説明しまくってるだけなんだけど、そのへんもツレにとっては「なんでこいつこんな食い付く?」って映ってたんだろうな。それは何となく感じていた。


それでもなー。
ツレは最後まで話をポイすることなく、俺に付き合い続けてくれたんだよなー。


もう本当に嬉しくてさあ。
ふふふ。
あんまり嬉しかったから、記事にしてしまうよ。






なかなかこういう話にまともに付き合ってくれる人いないんだよ。

「別にwwwどーでもいいわwww」って一蹴されるか、「そこまで気にすることなくない?」って話を終了されるか、だいたいそのどっちかだし。
静かに欲求不満がたまってたんだろうな。

だから余計にツレが乗ってきてくれたことが嬉しくて。
というかパートナーとじっくりこういう話ができるってなんて俺は幸運なんだろう。神様一体どこまで考えて俺とツレを引き合わせてくれたんだ。


話ができて答えが見つかって、すんごい満足してます。
ツヤツヤ。
ほんとツレってやつは……最高だ!!!